フラッシュライタ書き込み手順
1−1.DSUB9ピンのCOMポートが付いているWindowsパソコン。
1−2.両方ともDSUB9ピンのメスコネクタになっているRS232Cクロスケーブル。
■2.Windowsパソコンとスキャンコントローラを接続する。
■3.自動的に動き出すWindows上のソフトウェアを終了する。
■5.パソコン上でフラッシュライタFWA.EXEを起動する。
■10.書き込んだらスキャンコントローラの電源を一度切り、再起動する。
スキャンコントローラはCPUのフラッシュメモリをお客様自身で書き換えることによりバグフィクスやバージョンアップが可能です。簡単に言えばマイコンのプログラムですが、このようにシステムの動作を担う小さなプログラムを一般的には「ファームウェア」と呼びます。本書でも今後はファームウェアと呼びます。
ファームウェアを書き込むためにはスキャンコントローラをRS232CクロスケーブルでWindowsパソコンのCOMポートと接続します。スキャンコントローラ側はスイッチ操作でフラッシュダウンローダを起動し、Windowsパソコン上ではフラッシュライタのプログラムFWA.EXEを実行して行います。
本作業を行う場合に種々の語句が出てきますが、呼称についての説明と呼称の統一について書きます。
|
統一した呼称(本書での呼び方) |
その他の呼称 |
意味 |
|
COMポート |
RS232Cポート シリアルポート |
パソコンに付いているRS232Cレベルのシリアルポートです。Windowsのデバイスマネージャでは「COM1」等と表現してあるので、本書でもCOMポートと呼称します。 |
|
RS232Cクロスケーブル |
シリアルクロスケーブル |
両方ともDSUB9ピンのメスコネクタが付いているクロス接続のRS232Cケーブルです。パソコンどうしをつなぐときなどに使うもので、パソコンショップで売っています。 |
|
ファームウェア |
アップデータ、バージョンアップファイル |
ワンチップCPUに書き込むシステムを制御するプログラムのことです。フラッシュライタで書き込むものはファームウェアなので、.avrの拡張子のファイルは「ファームウェア」と呼称します。 |
|
フラッシュライタ |
フラッシュライタプログラム |
FWA.EXEのフラッシュライタプログラム本体です。Windows上で実行します。フラッシュダウンローダはワンチップCPU内のプログラムで、別物です。 |
|
フラッシュダウンローダ |
Self-Programing |
スキャンコントローラのマイコンに組み込んである自分で自分に書き込むプログラムで、通常は動作していません。新しいファームウェアを書き込む場合、マイコンの中の書き込みプログラムも動作させないといくらWindows上でフラッシュライタだけが動いても書き込めません。そのプログラムがフラッシュダウンローダです。書き込みを行うにあたって特別なボタン操作によりフラッシュダウンローダを起動しておかなければなりません。 |
動作を確認してあるWindowsはWindowsNT4.0、Windows98SE、Windows2000、WindowsXPです。Windows95、Windows98では確認していませんが、多分動作すると思います。
|
動作を確認したWindowsのバージョン |
結果 |
|
Windows95 |
確認していません。(多分動くと思います) |
|
Windows95OSR2 |
確認していません。(多分動くと思います) |
|
WindowsNT4.0 |
動作しました。 |
|
Windows98 |
確認していません。(多分動くと思います) |
|
Windows98SE |
動作しました。 |
|
WindowsME |
確認していません。(多分動くと思います) |
|
Windows2000 |
動作しました。 |
|
WindowsXP
pro |
動作しました。 |
|
WindowsXP
personal |
確認していません。(多分動くと思います) |
|
Windowsの各サーバ |
確認していません。 |
PCの装備しているRS232Cポートが動作できる状態にあるかどうかはデバイスマネージャを見ることで判ります。

デバイスマネージャでポート(COMとLTP)の+をクリックすれば使える通信ポート(COMポート)が表示されます。この番号はフラッシュライタで指定するポート番号ですので覚えておいてください。
※デバイスマネージャはデスクトップ>マイコンピュータ>コントロールパネル>システム>ハードウェアTAB>デバイスマネージャで開くことができます。この順番はWindows2000の場合です。
※デバイスマネージャの開き方はWindowsのバージョンで異なることがあります。Windows HELPで「デバイスマネージャ」を検索し、みつかったらそのキーワードをクリックしても開くことができます。
※確かにCOMポートのコネクタがパソコンのリアパネルにあるのに、デバイスマネージャに表示されない場合はBIOSで無効になっていることが考えられます。パソコンのハードウェアマニュアルで確認してください。BIOSはWindowsと関係の無いもっとも基本的な設定で、Microsoftではなく、パソコンメーカーの担当です。
両方ともメスになっているDSUB9ピンのRS232Cクロスケーブルです。モデム等に付属するストレートケーブルはオス−メスになっているので使えません。パソコンショップなどで売っていますので入手してください。
書き込み最中に電源が切れるとフラッシュダウンローダ自体が壊れてしまうことがあります。書き込み最中に電源が切れないような安定した電源を準備してください。
Windows上で実行するフラッシュライタのプログラム本体です。インストーラはありません。適当なディレクトリに置き、クリックすれば実行できます。
ファームウェアは.avrの拡張子が付いています。バージョンや内容によってファイル名は都度変わります。例えばRSCANpro_Ver2.avr等です。適当なディレクトリに置いてください。FWA.EXEと書き込むファームウェアのファイルは同じディレクトリに置くとFWA.EXEで一発表示できます。
パソコンのCOMポートとスキャンコントローラのRS232Cポート(AR8600用のポート)をメス−メスのクロスシリアルケーブルで接続します。
Windows上のソフトウェアでオペレータが指示しないのに動作してしまうようなソフトウェア、例えば電子メールやブラウザやウイルススキャン等は終了させてください。ファームウェアを書き込んでいる最中にこのようなソフトウェアが動き出すと書き込みに失敗することがあるからです。
スキャンコントローラのスイッチ1を押したままの状態で電源を入れるとフラッシュダウンローダが起動します。起動するとLED1が点灯します。LCDには何も表示しません。もしかしたら、LCDの上半分のセグメントが薄く点灯するかもしれませんが、これで正常です。詳細は別紙の「特殊機能の操作」説明書をご覧ください。
パソコン上のフラッシュライタFWA.EXEをダブルクリックで起動してください。インストールする必要はありません。

このような画面が表示されます。
※表示されるCOMポートはPCの仕様によって異なります。1つの場合もあれば4つの場合もあります。COM3から始まるものもあります。
※レジストリを使っていないのでアンインストールは削除するだけです。
RS232Cクロスケーブルを接続したCOMポートを選んでください。下記例ではCOM2ポートにRS232Cクロスケーブルを接続したので、COM2を選択しました。COM2ポートがすでに他の用途で使われているとCOMポートをオープンできません。スキャンコントローラがつながっていなくてもCOMポートを選ぶことはできます。

COMポートが選択できたら接続ボタンを押します。接続が正しければスキャンコントローラと通信をして書き込むマイコンの情報を返してきます。お互いにつながっていることが確認できました。

パソコンとスキャンコントローラがうまくつながったので、次は書き込むファームウェアのファイルを選択します。フラッシュライタのファイル選択ボタンを押すと下記ウィンドウが開きます。

ここで、書き込むファームウェアのファイルを選んでください。標準はFWA.EXEがあるディレクトリになりますが、ここに書き込むファームウェアファイルが無い場合はファームウェアがあるディレクトリを選び直してください。拡張子が.avrのファイルだけが表示されるようになっています。ファイル名は例です。常にこのファイル名が表示されるわけではありません。
ファイルが正しく選択されると下記の画面になります。書き込むファームウェアのファイルが壊れていたり、正しいフォーマットになっていない場合はここでエラーが表示されます。

準備が全部整ったので書き込みます。FLASH書き込みボタンを押してください。

確認のダイアログが出るので、よければ「はい」を押してください。書き込みが始まります。


バーが右へ伸び切ると、書き込み完了です。書き込みが正常に完了すると「FLASH ROM書き込み終了」が表示されます。
※「FLASH書き込み後にAVRを起動」のチェックボックスをONにしてもスキャンコントローラの場合動作しません。
※「FLASH消去」はファームウェアを書き込んだフラッシュROMのエリアを全部消去します。書いたものが消えてしまいますので注意してください。しかし、フラッシュダウンローダは消えないので、もう一度書き込むことができます。正常に動作しない場合に全クリアをする機能なので、動作している場合はわざわざ使わないほうがいいでしょう。
※「EEPROM書き込み」はマイコン内部の不揮発性メモリにまとめ書きする機能です。今回は書き込むファイルはありません。でたらめな内容を書き込むとスキャンコントローラが動作しなくなります。使わないでください。
書き込みが完了したら一度電源を切って再起動してください。バージョン1.xxからバージョン2.xxにバージョンアップした場合はヒット周波数記憶メモリを適当な周波数のヒットで満杯にし、その後、クリアしてください。
書き込みに失敗した場合はスキャンコントローラの電源を一度切ってから再書き込みをしてください。途中で書き込みに失敗しているので通常モードで起動しても動作しないはずですが問題ありません。フラッシュダウンローダを8MHzモードで起動してLED1が点灯していれば多分また書き込めます。
パソコン上で電子メールやブラウザなどが動いていたら終了させてください。これらは書き込み中でも時間が来ると勝手に動くことがあり、そのためにフラッシュライタのプログラムとスキャンコントローラ内のフラッシュダウンローダとの通信が途切れて、書き込みに失敗することがあります。
FWA.EXEフラッシュライタはRS232CのCOMポートだけを対象にしています。しかし、最近のパソコン、特にノートPCなどはUSBポートしかないものもあります。しかし、すでにUSB→RS232C変換アダプタをお持ちなら、動作の保証はまったくありませんが、試してみる価値はあると思います。筆者の環境では手持ちのKeyspan製4ポートUSB→RS232C変換アダプタで動作しました。
このアダプタをつないで専用ドライバをインストールするとデバイスマネージャではCOMポートが増えて表示されます。

このアダプタはUSBケーブル1本でパソコンとつなぐRS232Cポートが4つ付いているアダプタです。ドライバを入れてあるのでCOM4〜COM7が増えています。COM3は他の用途に予約してあるのでここには表示されていません。デバイスマネージャはFWA.EXEとは関係ないので上記のように正常に表示されているのは正常で、当然のことです。

テストに使用したUSB→4ポートRS232C変換アダプタ
この状態でFWA.EXEを起動すると下記のようにUSB→RS232Cとして認識されて表示されます。FWA.EXEがこのように認識できる場合はCOMポートとして使える可能性が高いです。実際、KeyspanはFWA.EXEで使えます。

数千円で一般的に市販されているのは1ポートのものです。それらがKeyspan製のように正常に動作するかは判りません。もし、試してみて上記のようにCOMポートとして認識できればFWA.EXEのCOMポートとして使える可能性は十分にあります。しかしながらこれを推奨するものではありません。技術的資料として参考にしてください。同じKeyspan製を購入してもパソコンの環境が異なっていれば動作しないかもしれません。実験する場合は個人の責任の範囲で行ってください。
以上